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本のしょうかい

おるすばんの表紙画像

『おるすばん』
森洋子 作

福音館書店

 

お母さんと幼稚園から帰って来たあっちゃんはおやつを食べていました。

そこへ、おばあちゃんの具合が良くないという電話がかかります。お母さんは様子を見に行くことになりました。

あっちゃんの初めてのお留守番が始まります。お留守番できる、とお母さんを送り出したものの、急に部屋がシーンとなったような気がして、何だか心細いあっちゃん。

あっちゃんがこたつに入っておやつの残りを食べる様子をミシンの上からマトリョーシカとくまの人形が大丈夫かな、と見つめています。

さびしくなったのかあっちゃんはこの二人を近くに置いて、話しかけたり、積み木遊びをしたり、本を読んだりしながらお母さんの帰りを待っています。

部屋が暗くなり明かりをつけました。すぐ帰ってくると言って出かけたお母さんですが、なかなか帰って来ません。あっちゃんにはお留守番の時間がとっても長く感じられます。

喉も乾いてきて、水を飲みに行くと、台所の住人たちが一斉に目を開けました。ガス台のやかん、棚のお鍋、計りやたわし、大根や玉ねぎたちまで目を開けてあっちゃんの方を見ています。

怖くなったあっちゃんは慌ててこたつの中へもぐりこみました。こたつの中は明るくて暖かくて別世界。マトリョーシカとくまがあっちゃんを励ましていると、こたつの外が急ににぎやかになり・・・。

お留守番という子どもにとっては不安で特別な時間と空間を森さんが子どもの気持ちになって見事に描いています。

赤、オレンジ、黒と白というシンプルな色彩を基調に台所のしつらえや足踏みミシン、こたつ、黒電話、と大人には懐かしいものがたくさん登場するのもこの作品の魅力の1つです。

2013年版月刊福音館書店月刊『こどものとも』2013年版がハードカバー本になりました。

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